プロジェクト概要


中森康之 プロジェクトリーダー
中森康之


(豊橋技術科学大学 総合教育院 准教授)

 日本経団連(日本経団連HP)が毎年行っているアンケートでは、企業が新卒採用選考時に重視する要素の第1位は、7年連続で「コミュニケーション能力」であり、以下「協調性」「主体性」「チャレンジ精神」「誠実性」「責任感」と続く。朝新聞社が主要企業100社に行ったアンケートでも、「コミュニケーション能力」が断トツのトップで、「行動力」「人柄」「熱意」「協調性」「責任感」と続き、同様の結果を示している(朝日新聞2009年3月29日)。その他調査結果はこちら

  れらのアンケートは、技術者に特化したものではないが、技術者においても、「技術力」だけではなく、「人間力」が求められていることを示していると考えていいだろう。
 技術者教育において人間教育は重要である。そして「人間力」養成の場として、課外活動が非常に有効である。特に近年の学生の質の変化を考えたとき、その意味は大きい。そう考えた中森は、武道部を創部、「人間力」養成メソッドとして「武道部メソッド」を開発、実践してきた。
 一方高専においては、課外活動指導に非常に熱心であり、その指導に関する優れたノウハウを持っている。しかし残念ながら、それらは、優れた指導者個人の経験にとどまっており、メソッドとして共有されていないのが現状である。またそのため、課外活動の技術者教育としての意義も、必ずしも明確になっていないのである。
 プロジェクトは、「武道部メソッド」、詫間電波高専現代GPほか、高専や技科大における優れた実践を再構築することによって、技術者教育としての課外活動の可能性を提示し、「人間力」養成メソッドを開発しようとするものである。それは課外活動指導だけでなく、研究室指導や、企業における人材育成メソッドとしても、有効なものとなるだろう。

 各種アンケート調査